チェルノブイリ原子力発電所

今日で歴史的大惨事から20年…高校時代に地理の研究発表でこのテーマを取り上げた中、多くの方々が犠牲になり今もなお、甲状腺癌で苦しんでる方がいらっしゃる訳です。

  1. 原因

1986年4月26日、4号炉では原子炉が停止し電源がストップした際、非常電源に切りかえるまでの短い時間、原子炉内の蒸気タービンの余力で最小限の発電を行い、システムが動作不能にならないようにするための動作試験を行っていた。しかし、炉心内部のキセノンオーバーライドによって、定格熱出力の1%にまで下がってしまい、運転員はこれを回復する為に、炉心内の制御棒を引き抜いた。これにより、熱出力は7%前後まで回復したが、反応度操作余裕が少ない状態で不安定な運転を続ける事になった。不安定な運転により実験に支障が出ることを危惧した運転員は、非常用炉心冷却装置を含める重要な安全装置を全て解除し、実験を強行。しかし、その結果、実験開始直後、炉の熱出力が急激に上昇しはじめた。緊急停止を試みたが間に合わず、炉は暴走しメルトダウンを引き起こした。

  1. 対応

爆発した4号炉の消火作業に多くの消防士が駆り出され、重い防護服を着たまま消火を試みたが、その放射能は想像を絶するものであり、10分もそれを浴びてしまえば致死量に値するほどのものだった。つまり、消防士に与えられた仕事は1回きり、しかも10分と限られた時間だった。消火後、4号炉はコンクリートなどで覆い隠され、「石棺」と言われる。多くの場合産業ロボットを用いて遠隔で実施されたためにひどく老朽化しており、もし崩壊した場合には放射性ダストの雲が放出されるおそれがある。雨水や結露水などに年間4000立方m近い水がシェルター内に流れ込んでおり、原子炉建屋内や周辺の地下水へ放射性物質を拡散している。シェルター内の高い湿度により石棺のコンクリートや鋼材が腐食しつづけている。より恒久的な閉じ込め策について多くの計画が議論されたが、これまでのところいずれも進んでいない。外国から寄贈された資金やウクライナから寄付された資金は建設契約の非効率な分散や、非効率な管理、または単に盗まれるなどして無駄に費やされた。