F1 第5戦 ヨーロッパGP ニュルブルクリンク

  1. レース回顧

ヴィルヌーブは、前日の予選2ndヒートでフィジケラの妨害をしたとして、上位3ラップ分を抹消され、9番手に降格となった。
 気温20℃、路面温度38℃、湿度33%、ドライコンディション、快晴の空の下、22台によるレースは幕を切った。上位は順位変動無く1コーナーを駆け抜けた。後方集団では、クルサードリウッツィ接触しリタイア。リウッツィがコース上でストップしてしまった為、SCが導入され、ミハエルよりも軽いと予想されるアロンソはミハエルを引き離す事が出来ない。SCがコースアウトした直後、ライコネンがバトンをパスし4番手へ。ライコネンは今GPから新スペックエンジンを搭載。
 16周目、アロンソがピットストップ。ミハエルは猛プッシュしアロンソの前を狙うが、ピットストップを終えたアロンソがアウトラップでスーパーラップを披露した為、アロンソが前に残った。2ndスティント、まず、バトンが白煙を上げリタイア。恐らくエンジントラブル。次にクリエンがスローダウンしリタイア。そして、アグリF1のモンタニーがリタイア。
 サバイバルレースの様相を呈して来た中、トップ争いを繰り広げるアロンソとミハエルは互いにベストラップを次々に更新し、ファステストラップの応酬となった。そして、アロンソが2度目のピットストップ。またしてもミハエルよりも先にストップを迎えた。8.8秒と残りラップ数を考えると長すぎるストップに思われる。その間ミハエルは、スーパーラップを連続し圧倒的有利な状況に持ち込むことに成功する。ミハエルはアロンソより3周遅いピットストップ。停止時間は6.8秒、勝負あり。3秒近いマージンを持ったままコースに復帰。アロンソはアウトラップ以降もペースアップできなかったのが原因。
 レース終盤、アロンソはエンジンを労わってか、ミハエルの追走を諦め、2番手を走行。アロンソの直後にはマッサとライコネンの姿。しかし、トップドライバー同士では、「追いつく」と「追い越す」というのは全くの別世界。1秒を切る大接戦の中順位に変動無くフィニッシュ。マッサは初の表彰台となった。次節、第6戦スペインGPはアロンソの凱旋ホームグランプリ。開催は今期2度目のダブルヘッダーとなり、5月14日に決勝を迎える。

  1. 総評

多くのチームが母国グランプリとして迎えた今回、前戦を制し、母国グランプリとして迎えたミハエルが完全復活を遂げたという感じを受けます。1度目のピットストップを先に迎えなければならなかったアロンソフェラーリ帝国に手の内を見せなければならなかった。その分、フェラーリは2度目で前に出れれば良いというような作戦に転換した模様。その辺りはさすがフェラーリのピットストップ。新スペックエンジンを積んだライコネンは終始安定したペース1分33秒後半を刻み4番手フィニッシュだが、やはりパワーの不足を感じる。予選での速さを取り戻したいところ。